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須藤 高史; 村尾 良夫
JAERI-M 83-115, 98 Pages, 1983/07
本報告書は、大型再冠水効果実証試験計画の中の円筒炉心試験装置によるC1-18(Run37)とC1-8(Run17)両試験に注目し、ループシール部留水の再冠水挙動に与える影響を検討したものである。得られた主な結論を次に示す。・炉心で発生した蒸気は、ループシール部留水を再冠水後32秒で押し出して流れはじめ、65秒で押し出してしまう。・ループシール部が水でシールされている間は、炉心蓄水は低く抑えられ、炉心内熱伝達は向上しなかった。そのため、ターンアラウンド温度は高くなった。・ループレール部留水を押す力は、ダウンカマ内蓄水類により得られる。そのため、この留水を押し出し、蒸気が流れはじめるまでの時間は、ECC水の注入流量に影響された。
斎藤 伸三; 稲辺 輝雄; 藤城 俊夫; 大西 信秋; 星 蔦雄
Journal of Nuclear Science and Technology, 14(3), p.226 - 238, 1977/03
被引用回数:30NSPRを用いた反応度事故条件下における燃料破損実験においては、パルス特性および実験能力、とりわけ試験燃料中の発熱量が重要となる。 パルス特性試験では最大4.67ドルの反応度挿入まで行い、この条件でピーク出力21,100MW、積分出力117MW・sec、最短炉周期1.13msecを得た。 又、挿入反応度を変えた場合のパルス運転時の出力、燃料および被覆材温度等の特性については時間変化および最大値を含めて計算値は実測値と良く一致した。更に臨界および未臨界からのパルスについては解析的にも実測においてもパルス特性にはほとんど差を生じなかった。試験燃料中の発熱量については測定値は計算値を約10%上廻り、設計値を十分満足した。又、5本バンドル試験燃料の場合は1本の場合と比較して外側の燃料で約20%、内側の燃料で約40%発熱量が減少することが実験的にも解析的にも確められた。
佐藤 章一
日本原子力学会誌, 18(11), p.685 - 690, 1976/11
今後大規模に開発できる可能性のある一次エネルギー源は、原子力である。それを、広い利用分野をもつ水素の熱エネルギーに変換できれば、水素をエネルギー担体とする水素エネルギーシステムの成立が可能になる。水素エネルギーは化石燃料への依存性を低下させるのにも有効であろう。このような非電力利用に適した原子炉は、高温ガス炉であるが、水素製造プロセスなどへの利用には、炉とプロセスの結合の境界に関する検討と、原子炉エネルギーの有効利用が可能な経済的な水素製造プロセスの確立が必要である。